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古道具とうどん
筑後吉井駅に到着。 この、なんだか人の氏名みたいな駅の名前に愛着が湧いてきた。 『四月の魚』という名の古道具屋さんを目指すのだが、手元にはひょろひょろとした線で書かれた地図と住所しかない。 少々心もとないが、雨の中を歩きだす。 鄙びた感じの町は、ラーメン屋、うどん屋が多い。麺好き? 旧豊後街道に出ると、白壁の町並みに変わり、街道筋には、”ちょっとおされな”パン屋さんや雑貨屋さん、古道具屋さんが並んでいて、開発の仕方が滋賀県の長浜の街に似ているなぁと思う。(あっちは黒壁の街だけど。) ゆっくり散策してみたいが、時間も押せ押せで先を急ぐ。 ちっと焦り気味になってきたところで、唯一の目印である郵便局を見つけ、その角を左折。 う、、、ホントにこの辺なのか? 近所の和菓子屋さんで場所を尋ね、ようやく見つけた『四月の魚』。 路地の奥で、ひっそりと店を開けていた。 こんにちはー、とお邪魔する。 古い一軒家を改装しているようで、玄関で靴を脱ぐ。 上框の位置が高い。 小ぢんまりした部屋に、シェーカー型の水筒や焼き網、フェルト素材のコースターやポットウォーマー、ガラスの小皿、コップ、蓋もの、そして奥には作陶家・大村剛さんの器、と新旧洋邦取り混ぜて、全体的に優しい印象のものが並んでした。 容器、特に蓋モノに弱い私は、シェーカー型の水筒に強く惹かれた。 そして、金属モノに弱い私は、木製の把手がついたバケツをためつすがめつしてみた。 が、手に取ったときに”これで鰹のタタキをつくろう”と、使い道をすぐに想像できた焼き網を求めて、店を後にし、うどん屋「井戸」に向かった。 うどん屋「井戸」は、長尾製麺という製麺会社が敷地の一部で開いているお店だった。 半端な時間だったせいか、店内は無人で、 「もしかして、ここでは向こうの製麺工場で麺を購入して、こっちに持ってきて自分でうどんをつくる、讃岐うどん的システムになっているのか・・・?」 と考えていたら、店主登場で、「座ってお待ちください。」と言われた。 店は、もともと蔵だったのか、面積の割にはすごく立派な梁が渡されているが、腰壁がつくられていたり、窓枠がグリーンに塗られていたり、テーブルと椅子はしっかりした木製で、手仕事のあとが見える。壁際の棚には、さっき『四月の魚』で見た小物が飾られ、うどん屋さんに来たというより、作家のアトリエにお邪魔しているような感じである。 ほどなく、お待ちかねの野菜天うどんがきた。 白い器に、こんもりと野菜天。 野菜天は細くささがきにされた牛蒡がどっさりで、さくさくと美味い。 出汁はあっさり、麺は関西のものより甘い気がする。 おまけ、とかやくご飯までいただき、私たちの空腹は満たされた。 多治見の麺屋さんに次ぐ不思議な店だった。 9坪夫人と私は、博多Nightに備えて、帰りは特急をフンパツした。 クラッシックな赤で統一された車内は快適。 ロマンスシートに体を沈めれば、一気におねむモード。 5時に博多着。 ホテルへチェックインし、待ち合わせ時間を決めて解散した。
by michiphoto
| 2006-04-28 10:18
| 日々是脱線
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