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8月のある夜、ピ~ンポ~ンと勢いよく玄関チャイムが鳴った。
自宅で仕事に追われていた私は、 NHKか新聞屋さんか羽毛布団の押し売りだろうと無視していた。 すると、ピンポ~ンピンポ~ンと立て続けに鳴り響くチャイムにかぶせて、 「岩谷さ~ん」と女性の声が聞こえてきた。 玄関ドアには表札を出していないし、なんだか親しみのある声だったので、 とりあえず玄関を開けてみると、マンション内で見かけたことのある Tさんが立っていた。 Tさんは、 「夜分遅くにごめんなさいね。」 と言いながら、ふっと室内に目をやって驚いた表情をした。 「改装したの?こんな一人暮らしなんてうらやましいわね~。」 と興味津々のご様子だったので、 「中を見られますか?」 と、思わず言ってしまった。 Tさんはパッと輝かせ、キッチン、奥の部屋、そしてベランダへと進んでいった。 いつの間にか私は、ベランダで外を眺めながら、 彼女からこのマンションの歴史を聞いていた。 30分ほど話していただろうか、彼女はようやく本題に入った。 「9月にね、理事会役員の任期が満了になるんだけど、 岩谷さん、次の理事会に入ってくれないかしら?」 理事?私が? なぜ私に白羽の矢が立ったのか、理由は明白だった。 1年ほど前から、公共用地だった隣地が民間に売却され、 小さなワンルームマンションの建設計画が持ち上がっている。 その「隣地マンション建設説明会」(つまり建設反対運動)が マンション内で催されるたび、 借家人だった私も建築的かつ野次馬的興味から顔を出していた。 それをしっかり覚えられていたのだ。 最初は断った。 大変そう、時間がない、ちょっと面倒・・・。そんなところだ。 私が建築士であることは知られていないだろうが、仕事が建築関係だということは 何かの折に口に出していたからか、それとも(比較的)若い血を入れたかったのか、 あるいは本当に引き受ける人がいなかったからなのか、Tさんは世間話を挟みながら、 食い下がってきた。 「何もしなくていいから」 「ヒラ理事でいいから」 「忙しかったら、委任状を書いて欠席してもいいから」 確かに、このマンションが抱える隣地マンション建設や耐震補強工事などの 問題には、所有者となった今、ますます興味を持っていた。 だが、決定打はこの一言だった。 「うちの兄も写真撮ってるのよ。私は兄の事務所を手伝ってるんだけどね。 もう忙しくて大変なのよ。そうだ、名刺を渡しておくわね。」 その名刺に書かれてあった事務所名は、国際的山岳写真家S氏の名前だった。 そして私は理事になった。 なんとも不純な動機から。 理事会で一番若手の私は、月に一度開かれる会合で 父母、祖父母ほどの年齢の方々から興味津々の目で見られているようだ。
by michiphoto
| 2004-08-01 15:29
| 住宅三昧
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